住まい空間

玄関

●玄関扉は内開きにしたい

今日の我が国においては、玄関扉が外開きである場合が多いようですが、これは玄関で下足を脱ぐ習慣があり、限られた面積の中で必要最小限度の土間スペースを確保すると、内開きの開き代分面積が節約できることから、集合住宅や建蔽率・容積率に余裕の無い住宅に取り入れられた手法が一般化してしまったようです。

西欧諸国は下足を脱ぐ習慣が無く、扉を押し開いて入るのが自然であることと、蝶番が外部側に露出せず、万一賊が押し入ろうとした場合に引いて押さえるよりも内側から押して押さえる方が力が入るというような防犯上の理由から内開きが多いと言われています。

玄関の幅が1間以上ある場合は、引き違い戸や片引き戸にしますが、扉の錠に比べて錠の堅牢度を確保し難いので門扉等の一次バリアが存在する場合に限った方が防犯性は良いと思われます。

理由はとにかくとして、扉が外側に開くと押しのけられるような感じがしますが、扉が内側に開いて家に入るのは、家に招き入れられる感じがあってなかなか感じの良いものです。

●玄関扉は木製が良い

断熱性があります。金属製の扉は結露しやすく、特に寒冷地では結露水が凍結して閉じこめられてしまうような事態も発生します。集合住宅では防火性能が要求されるので、もちろん金属製であっても断熱仕様のものが用意されていますが、木製にはかないませんし、コスト高ではありますが木製の防火戸もあります。

●ドアノブは木製が良い

ドアノブ・ドアハンドルが金属製ですと、空気が乾燥しているときに手が触れた瞬間静電気の火花が飛んで不快なものです。木製(または合成樹脂)のドアノブ・ドアハンドル・押し棒はその点安心して触れることができます。

子供や老人等は握力が弱いのでドアノブよりはドアハンドルの方が扉を開きやすいでしょう。ただ、ドアハンドルは長年使っているとバネの緩みと共にハンドルが下がる方向にダレてくることがあるので、ダレが目立たないデザインのものを選んだ方が良いでしょう。またドアハンドルは取り付けの高さを少し高めにしないと慌て者がポケット等に引っかけて服を破ってしまうことがあるのでご用心。

●玄関は多少暗めが良い

『玄関』という文字通りの意味が暗い場所なのですが、実際玄関に繋がる家の中の他の場所よりは相対的に暗めが良いでしょう。極端に暗いのは良くありませんが、逆に明るすぎると他の部屋が暗く感じてしまい家全体が陰気なイメージになってしまいます。また、訪問者と応対するときに、多少暗めの方が顔の小皺も見えないので年齢より若く見えるというメリット?もあります。

●下駄箱

鉄筋コンクリート造の建物等で玄関のように外気が入り込みやすい場所では、特に外気の湿度が高いときに、下駄箱の中の靴が乾燥しないために、臭ったり時にはカビが生えてしまうことさえ起こります。下駄箱の中が乾燥するようにと通気口を付けたり扉を少し開けたりしたのでは逆に玄関に臭気が充満したりしてしまいます。そこで下駄箱の扉を和紙張りの襖にしてみたところ大変良好です。これは和紙に湿気を通す透湿性と湿気を吸放出する調湿性や臭いを吸着する性質があるからです。ただ、小さい子供や乱暴な方がいるご家庭にはあまりお奨めできません。

●階段の蹴上げ・踏み面が見えないようにする

建て売り住宅やハウスメーカー等の住宅に玄関から入ったときに階段の蹴上げ・踏み面が大々的に見える(階段の表側が見える)場合がありますが、少々品位に欠ける玄関の空間になってしまいます。ご存じ無い方も多いかも知れませんが、いわゆる下宿屋さんや部屋だけが個室の木賃アパート等の玄関の多くがこういう造りになっておりました。

台所

●できるだけ東からの光が入るようにしたい

朝の東方向からの日差しは短波長の紫外線成分が多く殺菌作用がありますが、夕方の西方向からの日差しは長波長の赤外線成分が多く食品を腐敗しやすくします。

和室

●襖・障子

襖や障子に和紙を張ると和紙の湿気を吸放出する調湿性や臭いを吸着する性質によって、とても良い空気環境が作られます。同時に、厚さの割には優れた断熱性能があります。

●畳

藁床を使った畳にも和紙を張った襖や障子と同様により優れた調湿性能と断熱性能があります。更に臭気の吸着効果や遠赤外線効果を高めるために木炭等を併用した畳もあります。

便所

●入り口に垂れ壁を付ける

換気扇を設ければトイレの臭いは外部に排出されて家の中には広がらないと考えがちですが、例え強力な換気扇が作動中であっても、トイレの入り口上部に垂れ壁状の下がり部分が無くて他の部屋と天井が繋がっていたりしますと、臭気が家の中にひろがってしまいます。但しその場合でも常にトイレの入り口が閉鎖状態であれば問題ありません。トイレの入り口上部に垂れ壁状の下がり部分があってなおかつ換気扇が垂れ壁下端より上部に付いていれば例え入り口扉が無くても臭気が家の中に広がることはまずありません。

●間仕切り壁や入り口扉の遮音性も考慮した方が良い

最近はウォッシュレットが一般的になりましたが、その作動中は結構音が出ますのでトイレの間仕切り壁や入り口廻りの遮音性にも配慮した方が良いでしょう。

脱衣室・洗面所

●湿気に強い材料

浴室に連続する脱衣室は、風呂から上がったとき、もし洗面室や洗濯室を兼ねていれば洗面や洗濯のときに多量の水蒸気が充満します。仕上げがボードに塗装とかビニルクロスだったりしますとカビが生えやすい状態になります。換気扇を設けて換気したとしても冬場は寒いので止めてしまいがちです。しかし、壁・床・天井を無垢の板材で仕上げますと木材の調湿効果でカビの発生もほとんど無い快適な脱衣室になります。但し塗装は木材の呼吸を止めないもの(浸透性があって艶の出ないもの)を使う必要があります。
(参考:燻煙乾燥木材

浴室

●天井は木製にしたい

木で仕上げた浴室はとても快適ですがどうしても数年でカビが生えたり木がくさってきたりします。少なくても床と腰壁はタイルや石材のような腐らないもので仕上げる方が無難でしょう。もちろん化学的な処理を施した腐りにくい木材もありますが、木本来の風合いに欠けた別物の感触です。天井だけは腐朽しにくい塗装を施した天然木で仕上げると良いと思います。多少斜めに張っておけば雫が落ちてくることもまずありません。
(参考:燻煙乾燥木材

●照明の電球は2個以上にした方が良い

電球が1個だけの照明器具の場合、いざはだかになって風呂に入ろうと照明のスイッチを入れたとたんに電球のフィラメントが切れたりしますとちょっと困ったことになります。しかし、電球を2個以上使った照明器具や電球が1個の照明器具を2個使えば、同時に2個の電球が切れることはまずありませんので安心です。

●床暖房をした方が良い

浴室の床は常に湿った状態ですと、アメーバや腐朽菌が繁殖してヌルヌルしてきます。しかし電気等の床暖房を設けておきますと床がすぐ乾燥して掃除の手間が省けます。

燻煙乾燥木材を使った産直木造住宅供給システム

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一級建築士事務所松野浩アトリエ環境システム

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